効率的市場仮説 ~Wikipediaより

市場参加者は利用可能なすべての情報を迅速に取り入れており、新規情報によって他の市場参加者より有利になるという状況は生じないため、市場の挙動はランダムウォークになるという仮説。

株券は紙幣同様信用ベースの資産であり、長期的に株価はその企業の内在価値に相関すると信じられている。その企業が将来上げるであろう利益の総額を現在価値に割り引いた価額を一株当たりで見れば、おおよその理論株価になる。

効率的市場仮説に従えば、ある企業の株価がこの理論株価を下回れば直ちに買いが入り、上回れば直ちに売りが入って、その結果株価は常に理論株価に均衡することになる。

ところが企業の将来利益を算出することは、まだ起きていない未来を予想することに他ならないから、その算出は極めて困難であり、結果は算出者によってまちまちである。

そのため株価は思惑に反して理論株価に均衡せず、大なるマーケット参加者たちの算出した株価の平均値に収束する。もちろん企業の将来利益は彼らの合意によって決まるわけではないから、株価は通常ミスプライスされている。

バブルが発生したり100年に一度の金融危機が訪れると、マーケット参加者の思考は理論株価のことを忘れて直近の株価へ向かう。明日株が上がるという理由で株が買われ、明日下がるという理由で売られる。つまり株価を決めるのはもはや信用ベースの理論株価ではなくなり、マーケット参加者の個別合理的な行動である。その結果ミスプライスの幅は肥大する。

しかしながら効率的市場仮説を信じる限り株価は常に理論株価にあるから、金融危機で株価が暴落しようとも期待リターンは一定であり投資リスクは変わらないか、ボラティリティが増加してリスクが増えることになる。

それが誤りであることは現場を見ればわかる。

おそらく効率的市場仮説はそれを信じない者に投資機会を与えるためのプロパガンダであり、ご褒美なのだろう。



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